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新生活あるある!方言と標準語の使い分け【話し方教室 VOAT】

2019.06.13

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  1. 3月、4月から新生活が始まり学生・社会人ともに何かと変化の多いシーズン。そんな節目の春から夏にかけて、生まれ故郷や地元を離れ新天地での生活をスタートされる方も当然多くなりますよね。そこで気になるのは方言と標準語の使い分けについてではないでしょうか?今回はそんな使い分けについて取り上げたいと思います。

 

  • ■実は方言だった!知らずに使っていた方言

 

  • (1)北海道

【うるかす】

「お米、うるかしておいて」「鍋うるかして」などと使っている「うるかす」は北海道だけでなく、東北地方などでも広く使われている言葉。意味は、お米や使用済みの食器など「ものを水にひたす、つけておく」。「うるかす」を使い慣れている道民からすると回りくどいかもしれないが、「水につけておく」と言い換えるクセをつけておくといいでしょう。

 

【ちょす】

「スマホ、ちょすな」「そこ、ちょすんでない」などと使われる「ちょす」。北海道や東北では、広く使われており、意味は、「かまう・さわる・いじる」など。ついつい「ちょす」と言ってしまう人は、シーンにあわせて「いじる」「さわる」「かまう」などと言い換えましょう。

 

【きかない】

北海道出身であれば子どもの時、親や周囲の大人から「きかねわらしだ」などと言われたことのある人も多いはず。この「きかない」も「やんちゃ」「わんぱく」「強情」という意味の方言。東北の一部では、「きかず」などということもあるそう。「きかない子」は「やんちゃな子」と変換しましょう。

 

  • (2)東北地方

【しゃっこい】

「水がしゃっこい」というように東北から北海道など広く使われている言葉。地域によっては「ひゃっこい」「ひゃっこえ」などと、微妙にイントネーションが違うことも。意味は「冷たい」。ただ、標準語の「冷たい」だと、「しゃっこい」ほど「つめたい感じ」がしないのもたしか。

 

【テレビはいる】

東北エリアでは当たり前のように使っている「テレビ入った」。意味は「テレビ番組が映った」「人物が登場した」。この言葉、関東などでは意味が通じずに「テレビ局に行ったのかな?」などと誤解されてしまうので、「映った」「○○、出てるよ」とシーンにあわせて言い換えましょう。

 

【でかす】

「◯時までに仕事をでかす」「レポートでかした」など、東北はもとより山梨など広く使われている「でかす」。意味は地域によって多少異なり、「仕上げる・終わらせる」という意味もあれば「作る・作りあげる」という意味も。標準語では「上出来・うまくいった!」という意味になるので、「仕事を終わらせる」「レポートを仕上げる」と意識して言い換えましょう。

 

  • (3)北陸地方

【いいじー】

金沢などの北陸地方で日常的に使う「いいじー」。標準語でいうと「いいなあ?」「いいねえ」というときに使われる共感のワード。このようなつぶやき系の言葉はぽろりと出てしまうことば多いので、「いいなあ」と言うクセを付けておくといいかもしれません。

 

【おっけ?】

「はよおっけま」など、福井地方中心に日常的に使われている「おっけ」。意味は「してください」。標準語では「してね」「してください」というのが一般的。他地域の人に「おっけま」といってもまず通じないので、早めに「してね」をマスターしましょう。

 

【たぬきうどん】

日本各地それぞれに独特の麺文化があるが、そのなかでも金沢と関東では、まったく意味が逆になる種類の食べ物がある。それは「たぬきうどん」。金沢で「たぬきうどん」といえば、刻んだ油揚げのあんかけうどんを指すが、関東をはじめ他の多くのエリアでは天かすがのったうどんを指す。ちなみに関東で油揚げがのっているうどんは「きつねうどん」になる。さらに関西も加わると話しがややこしくなるので、ご注意が必要です。

 

 

  • (4)東海(中部)地方

【つる】

学校の掃除の時間などで日常的に使っている「机をつる」。意味は机やテーブルなどを「持ち上げる」。ちなみに、机を移動させる行動全般のことをさしても使います。当然他のエリアでは通じないので、「持ち上げる」「移動する」に変換して使うように心がけましょう。

 

【えらい】

「カラダえらいわ〜」など、気だるいときや疲れたときについ口に出てしまう「えらい」。意味は「しんどい」「だるい」で、東海地方から甲信地方、福井など広範囲に渡り使われています。他地域では「すぐれた」「偉大な」という意味でのみ用いられるので注意。体調が悪くバイトを休みたいときは「身体がえらい」ではなく「体調が悪い」と言い換えましょう。

 

【まわし】

独特の方言が多い愛知や飛騨地方でも、おなじみワードのひとつ「まわしせなかん」。意味はもちろん「準備」「備える」こと。出かける前にうっかり「まわし」を使いがちな人は「準備しといて」などに変換するよう意識しましょう。

 

  • (5)関西地方

【モータープール】

TVの影響で広く浸透した感のある関西弁。もはや通じない言葉はないと思いがちだが、まだまだ特有の言葉はある。例えば「モータープール」。関西以外で「駐車場」と認識してもらえることはほぼ皆無。いっそテレビ発で広まった「さぶいぼ(鳥肌)」のように「モータープール」を広めていくのもアリかも。

 

【なおす】

「この本なおしといてー」など、日常的に用いている「なおす」。意味はもちろん「片付ける」だが、関西以外では「治す(治療する)」「直す(元の状態に戻す)」など、主に壊れたものを戻すといった文脈で使われるのみ。矯正したい人はいっそ一度「なおす」を忘れて、「片付ける」「元に戻す」と再インストールするといいかもしれません。

 

【ぐねる】

関西出身者なら一度は「足ぐねって歩かれへん」状態になったことがあるのでは? この「ぐねる」は関西を中心主に西日本でしか通じない言葉。意味は足を「くじく」「捻挫」すること。もしぐねってしまったときは、足を挫いたと状況を説明しつつ「ぐねる」の言葉のしっくり感を説明するといいかもしれません。

 

  • (6)中国地方

【たいぎい】

「面倒くさい」と「だるい」を併せ持った便利な言葉「たいぎい」。口ぐせのように使っていた人のなかには、意味が通じないことにショックを受けた人もいるはず。標準語の言い回しではフィットしないと思っていても、伝わらなければ意味がないので、できるだけ「だるい」「しんどい」に言い換えるようにしていきましょう。

 

 

【たわん】

「たわん?」「いんや、たわんわー」「たわんのよ」などと使っている「たう」。意味は「手がとどく」で、広島・山口など中国地方で広く使用されている。思わず口にしてしまったときは、標準語の「届く」との微妙なニュアンスの違いを説明してみると、興味を持ってもらえるかもしれません。

 

【さし】

中国地方でポピュラーな表現のひとつ「さし」。あまりにも自然に使っているため、全国区で通じる言葉だと思っている人が多数。ただ、「さし」の手前に「もの」をつけないと他地域の人には通じないことがほとんど。「2人で」「差し向かいで」で使う「サシ」と勘違いされるのでご注意をしましょう。

 

【ちばける】

中国地方、特に岡山県出身の人なら子どものころ一度は「けがするけー、ちばけな」と怒られた経験がないでしょうか。この「ちばける」の意味は「ふざける」。地域によって微妙に言葉がことなり、「ちばける」「ちばえる」などともいいます。関東の人に発してしまうと音の響きだけで「千葉??けない?」と聞いた人の頭が疑問形だらけになるので「ふざけないで」と変換しましょう。

 

(7)九州地方

【からう】

「リュックをからう」の「からう」。子どものころからおなじみの表現のため方言であるイメージを持っていない人もいると思いますが、九州エリア特有の方言のひとつ。意味はランドセルなどを「背負う」。標準語に言い換えるときは、「しょう」「背負う」に変換しましょう。

 

【はわく】

「玄関をほうきではわく」のように使う「はわく」。広く九州だけでなく、下関などの一部でも使う「掃く」を意味する方言。「はわく」のほうがしっくりくると言う人も他地域では通じない言葉なので、「はく」と言い換える意識を持っておきましょう。

 

【ラーフル】

「ラーフル」は宮崎・鹿児島エリアだけで使われている言葉。意味は「黒板消し」。他エリアの人には「なにそれ?」と全く通じないことがほとんど。うっかり口にしてしまったときは「ラーフルとは、なんのことでしょう?」などとクイズにしてしまうのもひとつのコミュニケーション方法かもしれません。

 

  • ■方言×標準語を話す人の能力がバイリンガル化

 

外国語を話すバイリンガルの子どもは、脳が活性化し学習能力が高いことは多くの研究で知られていますが、標準語に加えて方言を話す子どももバイリンガル並みに「脳力」が高いことが明らかになっています。

 

下記は英ケンブリッジ大学のチームが研究をまとめ、認知心理学誌「Cognition」(電子版)の2016年4月27日号に発表したものになります。

 

研究チームは、東地中海に浮かぶ島国キプロスの子どもたちを対象に、方言の使い分けが子どもの認知能力に与える影響を調べた。キプロスは、古代からペルシャやギリシャ、ローマ、イギリスなど多くの国々から支配を受けた歴史を持ち、現在もギリシャ系やトルコ系など様々な民族が住んでいる。だから言語は多様で、バイリンガルの子どもが少なくない。 公用語はギリシャ語だが、同じギリシャ語の中でも「アテネ語」「クレタ語」「キプロス語」など様々な方言がある。日本の「関西弁」「熊本弁」「津軽弁」のようなものだ。

研究チームは、子どもたちを家庭の経済状況(収入・職業・学歴)や本人の言語能力・全般的知能などを考慮しつつ、次の3つに分けて、詳細な認知能力や学習能力のテストを行なった。

 

(1)「英語とギリシャ語」「ギリシャ語とトルコ語」など複数の言語(外国語)を話すバイリンガルの子ども(47人)。

(2)同じギリシャ語系の中で、「標準語とキプロス語」「キプロス語とクレタ語」など2つの方言を話す子ども(64人)。

(3)「キプロス語だけ」「アテネ語だけ」など、1つの言語を1つの方言だけでしか話さない子ども(25人)。

 

 その結果、(1)と(2)の子どもたちは、(3)の子どもたちより認知能力は高かったが、(1)と(2)の間ではほとんど差がなかった。2つの方言を話す子どもたちは、バイリンガルの子どもたちと「脳力」の面で、なんらひけをとらなかったのである。日本でいえば、標準語と鹿児島弁を話す子どもは、日本語と英語を話す子どもと変わらないことになる。

 

 

  • ■共通語(標準語)と方言の使い分けが大切

 

【共通語・標準語・方言とは、共通語と標準語の違い】

まずは、共通語(標準語)と方言について再確認しましょう。

共通語とは、基本的に日本全国どこでも通用するような言葉のことです。具体的には、ニュースや新聞、官公庁の文書、あるいは学校教材(一部の物語文を除く)や参考書などで使われるような全国規模で公的に通じる表現です。

 

標準語というのは共通語と『ほぼ』同義ですが、現代の日本では「正しい日本語のスタンダード(=標準)はコレだ!」と特に定められているわけではないため、共通語という定義の緩い言葉に置き換わりつつあるようです。

標準語という概念は、明治維新以降の近代国家("Nation")を確立する過程においては、各地バラバラだった日本語を公用語として統一するために必要だったと言えます。

法学的に言うと、全国統一的な公用語がないと、近代的な法治国家の基盤が揺らぎます。なぜなら、大日本帝国憲法や刑法を制定したところで、全国に言葉が通じないと伝わらないからです。ですが、標準語という表現は、多様性が尊重される現代にはそぐわない概念とも考えられます。そうした背景もあるため、共通語の明確な定義というのは難しいと言えます。とはいえ、実際問題として共通語を求められる場面は地域に関係なくあるため、方言の強い地域の方は特に「この言葉は共通語か方言か?」という認識を持つことが大切です。

対して、方言は共通語の逆で、日本の中の一定の地域でのみ通じる言葉です。有名どころでは大阪弁や博多弁、名古屋弁など多数ありますが、もっと細かく見ていくと、隣りの市ですら通じない方言があったりします。方言は、いわばローカル性がその特色だと言えます。

 

全国的に通じるようなメジャーな関西弁でも、関西というローカル性があるからこそ共通語ではなく方言である、と言えます。

 

【方言が原因で生じる諸問題・トラブル】

方言は、地域文化の根幹に根差す言葉ですから、その地域で生活していく際にはコミュニケーションの一助となりえます。しかし、方言は地域外の人とのコミュニケーションにおいては逆に障壁になりかねません。

 

  • 方言が誤解を生み、対人関係のトラブルにつながる

 

近年、ネットで有名になった方言があります。その言葉は「はよしね」。実は、「はよしね」というのは福井弁で「早くしなさい」という方言らしいです。こうしてネット上で扱う分には笑って済ませられるかも知れませんが、もし実際に面と向かって言われたら間違いなく良い気分にはなりません。人によってはその場で激怒することでしょう。

後で「実は福井弁で?」と説明されたところで、笑って許してくれるような人ばかりとは限りません。そうなると、方言が対人関係に亀裂を生じさせる直接的な原因になってしまったことになります。これが全く聞き覚えのない読み方であれば「あっ、方言かな?」と聞き手も気付く余地がありますが、共通語と発音が同じまたは似たような方言にこそ注意が必要です。

 

  • 試験で方言を使うと、全く違う意味に解釈されて減点される

 

「なおす」を例に、方言で試験の答案を書くと全く違う解釈で採点されてしまうケースを考えてみます。ちなみに「なおす」というのは主に西日本エリアで「しまう」、「片付ける」といった意味で使われる方言です。(地域によって微妙に使い方が違ってくる可能性もあります。)

しかし、外の人間の感覚からすると、「修繕する」「修正する」という意味の「直す」にしか聞こえません。

ここでもし一般的な試験において、設問の正答が『たかし君が玩具を片付ける(しまう)こと』となるところで、『たかし君が玩具をなおすこと』と解答としたとします。

そうすると、採点官にとっては「玩具を修理?本文を読んですらいないのか」と全く違う意味に捉えられるため、部分点ももらえません。

こうした共通語と混同されるケースに限らず、例えば『ランドセルを背負う』とすべきところを『ランドセルをからう』と書いた場合でも同じです。採点官からすると、『からう』という記述は単なるオリジナルの造語としか評価のしようがありません。これは仮に採点官がその方言を知っていたとしても同じ話です。試験問題というフォーマルな世界では共通語が基本であるため、方言は不適切な表現として減点されると考えておいた方が良いです。

 

【学問は「共通語の世界」、方言はいわば外国語】

「試験で方言を書いて減点されても何も言えない」と注意喚起する理由は、経験上の話だけではありません。

公教育で習う学科に限らず、学問の世界は共通語をベースにした世界だからです。方言研究ですら、論文等は共通語をベースに記載されているはずです。例えば、「『ばってん』とは、九州の一部で使われる逆接の接続助詞である」といった具合です。そこで「『ばってん』言うんは、逆接ば意味しとっと」のように論述されてはいないはずです。

アカデミックな「共通語の世界」からすると、方言はいわば外国語のようなものと言えます。ですので、各種試験でも共通語が基本となります。

 

【方言と共通語のバイリンガル化は、まずググって違いを知る(長崎弁の例)】

では、方言と共通語を使い分けてバイリンガル化するためには、具体的にどのような方法があるでしょうか?

まず第一には、日頃から共通語を意識することです。

教科書類や報道で使われている言葉を注意深く認識し、日常生活上で使われている言葉との違いを知るということです。

しかし、それだけで方言と共通語の違いが分かるのであれば、最初から誰でも使い分けができているはずですが、実際はそうではありません。

ではなぜ人によって使い分けが難しいかと考えた場合、共通語で書くように指示されてもどれが共通語でどれが方言か判別がつきにくいという点にあるのではないでしょうか。共通語と標準語の違いで述べたように、共通語は特に規格が定められているわけではないからです。

それならば、逆に地元の方言をググって調べれば良いということです。そして、今まで自分が方言と気付いていなかった方言をピックアップして、それぞれ対応する共通語を覚えていけば良いということです。

 

例として長崎弁をググってリストかしてみます。

「来る(話者の元に行く)」「こらす(いらっしゃる)」「ぞろびく(引きずる)」「やぜらしい・せからしい(鬱陶しい?)」「ずんだれる(だらしない)」「ほげる(穴が開く)」「つ(かさぶた)」

 

こうした作業により、方言自体を再認識しつつバイリンガル化することが出来るはずです。これは方言を否定することではなく、むしろお住まいの地域の方言文化の再発見につながるのではないでしょうか。

そうして再発見した方言をテキストファイルでリスト化してみるのも一興かもしれません。

 

 ?終わりに

方言と標準語の使い分けについてでしたが、如何でしたでしょうか?

今回のコラムを参考にして頂き、友人やビジネス等において、より良い

コミュニケーションが取れるように使い分けていきましょう!

 

 

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