プレゼンや面接では、相手になるべく好印象を持ってもらいたいものですよね。どんなに内容の良いプレゼン、内容の良い志望理由と自己PRを作成しても、印象が悪いだけで全てが台無しになってしまいます。
ここでは、好印象を与える話し方のコツを紹介致します。
■第一印象で会話の流れは決まる!?
(1)第一印象が良くないと・・・
第一印象が良くないと、その相手への興味が薄れて会話への意欲も薄れてしまいますので、会話の流れも悪くなります。
特に就活での面接やビジネスにおける営業、接客においては、悪い印象を取り戻す時間などありません。
印象が良くない、というだけで大きなチャンスを失うことになります。
(2)印象の悪い話し方
第一印象を低下させてしまう以下三つの話し方は、意識するだけで改善できますので、思い当たる節があるならばぜひ意識してみて下さい。
「声が小さい」
声が小さいと声が聞き取りにくいので、次回また話したい、会いたいと感じてもらうことはできません。
特に女性は男性に比べてお腹の筋力が少ないので大変だと思いますが、話すときになるべくお腹から声を出すイメージで話してみて下さい。
「早口」
早口は軽薄な印象を与えてしまいます。
特に初対面や相手の顔の見えない電話で話す際には、緊張からさらに早口になってしまう傾向があります。
ワンテンポゆっくりと話す意識をしてみて下さい。
このちょっとした心がけで話し相手の印象はガラッと変わります。
「声が高すぎる」
高すぎる声も早口と同じく軽薄な印象を与えてしまいます。
声が高いという自覚のある方は、初対面の際は特に意識をして低い声で話す心がけをしてみて下さい。「落ち着いて話す」という意識で自然と少しは低くなります。
■人が聞きやすい「速度」とは
印象の良くない話し方のひとつに「早口」であることを挙げました。
それでは、印象の良い、聞きやすい話し方の「速度」とはどんなスピードなのでしょうか。
(1)聞きやすい速度と文字量
「聞きやすい」と感じる話し方の速度は、1分間に300字程度です。
しかしながら、時間を意識して尚且つ文字数をカウントすることは、プロの話し手でも至難の業です。
時間と文字数を少しでも体感として把握できるようになるためには、とにかく練習が必要です。
(2)聞きやすい速度で話す練習
もしあなたにプレゼンの機会があり、仮に与えられた時間が5分だとしたら、まずは1500文字程度の原稿を準備して下さい。
アナウンサーのように正確にできないとしても、数をこなしていくうちに感覚はつかめてくるはずです。
人前で話すことに慣れないうちは、内容が頭にしっかり入ることで多少の余裕もできると思います。
(3)感覚がつかめてきたら
聞きやすい速度は、目安として「1分間に300字程度」とお伝えしました。
しかしながら、最初から最後まで機械的に一定の速度で「1分間に300文字」を話しても、本当の意味で聞きやすくて理解しやすい話し方とはいえません。
淡々と言葉を羅列しても、聞き手は飽きてしまいます。
重要なところは丁寧にゆっくりと話して、誰もが知っている簡単な箇所などは敢えて速度を速めてみて下さい。
ある程度のスピードで話す箇所があるからこそ、ゆっくりと丁寧に話す箇所が重要であることが聞き手に伝わります。
大切なことは、最終的に内容が聞き手にしっかりと伝わり、理解をしてもらうことです。
聞きやすい速度とは、自分が話しやすい速度ではなく、聞き手が理解しやすい速度であることを忘れないで下さい。
■「間」の取り方で好感を得る
(1)「間」の無い自分勝手な話し方
「間」はとらえ方によっては沈黙ともいえます。
沈黙は怖いものですが、どんなに内容が素晴らしくても、息つく間もなく言葉を吐き出されてしまうと、理解して頭の中で整理する前に次々と言葉が流れていってしまいます。
「間」のない話し方は、相手を無視した自分勝手な話し方といえます。
(2)聞き手のための「間」
そこで、この「間」を単なる沈黙にせず「聞き手のための時間」にできるかどうかが、好感を得られるかどうかの鍵となります。
「間」の一つ一つは、ほんのわずかな時間ではありますが、そのわずかな時間が聞き手にとっては理解を深める大切な時間になります。
(3)心地の良い「間」
聞き手から好感を得る心地の良い「間」を作るコツを一つご紹介します。
前述した速度の箇所で、重要なポイントで速度をゆるめると記載しましたが、「間」はこの重要ポイントの前につくると心地良くて好感を得ることができます。
「間」をつくると、聞き手は頭の中で内容が整理できて、より深く理解できるようになります。
■身振りや表情で伝えるスキル
伝える手段として言葉は必須ですが、相手に与える印象となると、身振りや表情もとても重要です。
(1)話を効果的に伝える身振り
身振りには、その動き自体に意味はなくても、聞き手に注意を促す性質があります。
流行語にもなった東京オリンピック決定時のアピールタイムでのスピーチを、分かりやすい例として取り上げます。
「お・も・て・な・し。おもてなし」
印象を強めたい単語を一音一音丁寧に発音し、それに合わせて左から右へ手をゆっくり動かして止め、最後にそれらがひとつの単語であることを示すように左から右へなぞる動作をしました。
こういった身振りに決まりはありません。
ポイントは「メリハリ」と「動きの始めと終わりを見せる」です。
聞き手にとっては「どう動いているか」ではなく「どう動きが変わったか」という「動作の変化」が最大の情報となります。
「動作の変化」を伝えるためには、動き始めをしっかりと見せることが必須です。
そのためには、動き始める時に「聞き手が注目しているか」を感じてから動くことがなにより大事です。
聞き手の意識が集まっているかをしっかりと感じてから、動いて話し始めることは、身振りを見せる場面だけに限ることなく、人前で話す場面の全体において効果的な心構えでもあります。
(2)表情
相手に伝える際は、言葉にこだわるだけでなく、こちらの気持ちや感情を表情でもしっかり表現する必要があります。
目元や口の形、首の傾け方、その一つ一つの仕草にそれぞれ役割があることを意識して下さい。
どんなに言葉を選んで伝えたとしても、無表情では誠意や感謝、謝罪の意思、驚きや喜びといった感情は伝わりません。
表情を意識して、自分の伝えたい意思や感情を上手く表現できる話し方を習得すると、一歩進んだコミュニケーションになるはずです。
■意外と盲点になりやすい語尾
(1)言葉使いは語尾で決まる。
会話をしている時の印象は語尾で大きく変わります。
語尾が聞こえにくいと、雑な印象を与えてしまいます。
語尾を最後までしっかり言い切ることで、自信に満ちた印象を与えることができ、説得力も増して好感を持ってもらえます。
(2)語尾に注意するポイント
「何々だと思います」を不必要に使わない。
「何々だと思います」という語尾は、本当にその思いを伝えたい時だけ使用して下さい。
「これから説明を始めたいと思います。」 「これから会議を始めたいと思います。」
このように、本当に思っていることを伝えたいときではない時に「思います」を使用しているケースがとても多いです。
「これから説明をいたします。」 「これから会議を始めます。」
このように言い切った言葉にすると自信に満ちた印象でしっかりと伝わります。
「何々だと思います」と表現するのは、柔らかいニュアンスにしたい、という考えの元に使用していると考えられます。
しかしながら、多用すると逆に自己主張を強くしてしまう結果となってしまいます。
同じ語尾を多用しない。
同じ語尾を繰り返し使用すると、聞き手は単調に感じて不快に感じてしまいます。
特に「です」や「ます」は続きやすい語尾ですので注意が必要です。
聞きやすい文章の要素としてリズムはとても大切です。
おわりに
ご紹介した好印象の話し方を実践してみていただくと、難しいと感じることでしょう。
会話は生モノですから、練習がなにより大切です。
表面的な技術に囚われて、最も大事な「気持ち」や「感情」が上手く伝わらなければ本末転倒です。
どんなに技術があっても、感情のこもっていない淡々とした話し方では、話していて楽しくありません。
目の前にいる相手と話すことが「楽しい」「ワクワクする」といった会話の基本は、ぜひ忘れないで下さい。
その上で今回ご紹介した技術を駆使していただければ、話し相手からの好印象を得ることができるはずです。