--はじめに
普段滑舌が悪いと感じるときに皆さんは舌との関係性について考えたことがあるでしょうか。今回は滑舌にとってとても大切な舌との関係について取り上げますので是非役立てて下さい。
■ 滑舌が悪い人の特徴とは
? 早口で話すことが多い
早口になると、言い間違える回数や省略してしまう音が増えるため、滑舌が悪くなります。緊張しているようにも見られるため、早口ではないほうがよいでしょう。ですが、少し早口で話した方が相手を上手く自分のペースにのせることもできます。このように話すスピードによって、コミュニケーションの質に変化を出したいという方は、まずはゆっくりときれいに話せるようになりましょう。滑舌が悪いまま早口になると、相手はそれが気になって話に集中できなくなります。
? 口の動きが少ない
発音で重要な要素である「母音」は、口の形の変化や動きによって質が変わります。口の動きが少ない話し方は、母音に明瞭感が出ず、モゴモゴとした感じになるため、声も暗くなってしまいます。滑舌が良い人は、口をはっきりと動かして話しているので意識しましょう。
? 舌の筋力が弱い
「滑舌」の字にも入っている「舌」。舌の筋力が弱いと、か行、が行、さ行、ざ行、た行、だ行、な行、ら行の音が不明瞭になります。逆に言うと、舌の筋力さえ鍛えれば日本語の約半分の発音は改善されます。また、年を重ねるごとに滑舌が悪くなるのも、舌の筋力が衰えていくことが原因です。舌トレを日頃から行い、筋力をつけていきましょう。一番簡単にできる舌のトレーニングは、口の中(歯茎の外側、頬など)で舌を大きく回すことです。舌の奥が疲れたなと少し感じるまで続けましょう。
? 何か言う前に「えー」や「あー」などが多い
「えー」「あー」などが異常に多い人、周りにいませんか?早口になり、次の言葉が出てくるまでに時間がかかってしまう結果、間をもたせるために、どうしても言ってしまう方が多いです。これも自分ではなかなか気づいていない人が多いので、自分の話し声を録音して確認してみましょう。
? 笑顔が硬い、もしくは表情が暗い
滑舌が悪い人は口の周りの筋肉が弱いため、普段から笑顔が硬かったり、表情が暗い傾向があります。一度、鏡を見ながら話したり、動画で撮影してみましょう。表情が変わらないまま話し続けてしまうことに気づけるはずです。
■ 舌の長さや位置は関係あるの?
? 舌の長さに関して
舌の長さや位置で舌足らずになってしまう原因になることがあります。
舌足らずになってしまう原因として、一番言われているのが「舌が短いこと」です。舌を出した時に、先がハート型になったりくびれたりすり人がいますよね。そういったタイプの人は、下が短いのだそうです!舌が短いと、言葉を発するときにベロを歯の裏につけたりといった発音がしにくくなってしまうため、舌足らずに見えてしまいます。
反対に舌が長いというのも、舌足らずになってしまう原因になるでしょう。舌が長すぎるからこそ、舌をうまく扱うことができずに舌足らずになってしまうのです。
? 母音だけで発声
日本語は母音の「あいうえお」がうまく発声できていないと、相手にうまく伝わらないと言われています。そこで言葉をすべて母音にして、ゆっくり口の形を意識して声を出してみてください。たとえば「おはようございます」だと「おあおうおあいあう」となります。これは「母音法」と言って、劇団四季が稽古に取り入れているほど、効果的な練習です。小声でもいいので、母音を意識して声を発してみてください。
? 笑顔で笑う
まずは、あなたができる最大限の笑顔で、思いっきり笑ってみてください。滑舌には舌の筋肉だけが重要だと考えている方がいますが、実は口周りの筋肉も滑舌に大きく影響します。正しい発声には言葉に適した口の形が必要なので、口周りがうまくコントロールできていないと、いくら舌を動かしても改善は難しいです。そこで顔の筋肉を鍛えるためにも、人に見られると恥ずかしいぐらい、顔をくしゃくしゃにして笑ってみましょう。しばらくすると顔の筋肉が熱くなり、キープすることに疲れてくると思います。ちゃんと顔周りの筋肉が動いていることを実感して、何度か繰り返してください。思いっきり笑うことは、口周りの筋肉を鍛える上で効果的な方法です。
? 天井に向かって舌を出す
天井に向かって思いっきり舌を出す練習法です。これにより、舌の筋肉を鍛えます。
具体的な方法は、以下の通りです。
顔の正面と天井が平行になるように天井を向く
↓
舌を天井に向けて思いっきり突き出す
↓
数秒後、舌を戻して正面を向き直す
↓
1?3を数回繰り返す
正しい発声には言葉に適した口の形が必要です。もちろん舌も形を整えるのに大切なのですが、筋肉がないとうまく形を作れません。舌の筋肉と言われてもなかなかイメージしにくいかもしれませんが、ちゃんと意識的に鍛えるようにしておきましょう。
? 仰向けで腹式呼吸をする
仰向けでゆっくり腹式呼吸をするのも、滑舌改善に効果に繋がります。
呼吸も滑舌に影響があると言われていて、胸式呼吸よりも腹式呼吸は声量が一定になり、滑舌が良くなるケースがあります。仰向けで呼吸をしている状態は自然と腹式呼吸になっているので、お腹に手を当てて、ちゃんと上下していることを確認してみてください。慣れてくれば座った状態で、以下のようなトレーニングをしてみましょう。
背筋を伸ばす
↓
鼻から息を吸う
↓
腹部に手を当てて、膨らみを実感する
↓
口から息を吐く
日常的に、腹式呼吸ができているかを意識しながら生活してみてください。
? 早口言葉
早口言葉も、滑舌の改善には有効的です。滑舌練習=早口言葉というイメージを持っている方が多いと思います。
・アンドロメダだぞ(あんどろめだ だぞ)
・生麦生米生卵(なまむぎ なまごめ なまたまご)
・除雪車除雪作業中(じょせつしゃ じょせつさぎょうちゅう)
・バナナの謎はまだ謎なのだぞ(ばななのなぞは まだ なぞなのだぞ)
・お綾や親にお謝り(おあやや おやに おあやまり
このような早口言葉の中から、苦手なものを繰り返し練習してみてください。ただしスピードにこだわるのではなく、口の動きを意識しながら練習しましょう。口の中がちゃんと動いていない状態で言葉を発していると、動いていない口の動きが癖になってしまいます。最初はゆっくりでもいいので、口のどの部分が動いているのかを確認することが大切です。
--終わりに
如何でしたでしょうか?滑舌を良くするためには舌がとても大切だとわかっていただけたのではないでしょうか。すぐには良くなりませんが日常的に意識して取り組んでいれば必ず良くなると思います。是非役立てて下さい。