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<ビジネスの基本>電話応対/受け方のマナーを身に着けよう|話し方教室VOAT【ビジネスコース】

2021.06.08

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はじめに


電話の受け方は、会社の印象を大きく左右してしまう可能性があるからこそ、オフィスワーク未経験の人にとっては高いハードルだと思います。
知らない相手や顔が見えない相手とのやり取りに緊張や不安、苦手意識をもってしまうのは当然です。
上手くいかないのは経験不足によるところが大きいので、まずは慣れるところから始めてみましょう。
電話応対の基本マニュアルとマナーやコツをご紹介しますので、しっかり学んで気持ちよくオフィスワークを進めることができるようになりましょう。


■電話を出る前の準備と心構え


(1)電話の機能確認


保留、転送、録音、ボリューム調整、スピーカー機能など電話には様々な機能が備わっています。
基本機能や操作方法はあらかじめ確認しておきましょう。


(2)メモ帳と筆記用具を常備


電話がかかってきたらメモ帳と筆記用具の場所を確認します。
必要に応じて内容をメモしますが、慣れるまではとにかくキーワードとなる単語をひたすらにメモしてください。
メモ帳と筆記用具はデスクの所定の位置に置いておくようにします。


(3)明るい声と正しい姿勢


顔が見えない電話では、対面時よりも1段階もしくは2段階くらい明るい印象の声で話すことを心掛けてください。
表情と声のトーンは連動するので、笑顔でいることも大事です。
そして背筋もしっかり伸ばして正しい姿勢を保ちます。
背中が丸まっているなど姿勢が悪いと声が小さくなってこもってしまって聞き取りづらくなってしまいます。


(4)会社を代表している意識


電話で話している相手は、新入社員か派遣スタッフであるかなどは関係なく、電話口のあなたの声を会社の声として判断します。
「自分は会社の代表として応対している」という意識と責任感を持ち、誰に対しても失礼がないように心がけて明るくハキハキと応対するようにしましょう。


(5)積極的に電話に出る


「自分が一番に出る」という意識を持ってください。
特に入社したての場合は、同僚や先輩に対してやる気を伝えるチャンスにもなります。
電話の応対に少しでも早く慣れたり、取引先に覚えてもらうことで仕事がはかどります。


■電話を受けるときのマナー


(1)3コール以内に取る


基本的には3コール目が鳴り終わる前に受話器を取るようにしているケースが多いです。
3コール以上鳴ってしまった場合には「お待たせいたしました。」と一言加えてから出るようにします。
会社によってルールやマニュアルがあることもありますので、事前に確認が必要です。


(2)「もしもし」はマナー違反


日常電話で使う「もしもし」はビジネスシーンではマナー違反です。
「お電話ありがとうございます」と明るい声で電話に出ます。


(3)相手方の社名、名前、用件を復唱


相手方の社名、名前、用件を復唱します。
「株式会社?の?様でいらっしゃいますね。いつも大変お世話になっております。」


(4)相手方が名乗らない場合や聞きとりづらい場合は聞き直す


相手方が名乗らない場合や聞きとりづらい場合は、必ず聞き直すようにします。
「私?と申します。おそれいりますがお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」と、自分から名乗って相手の名前を伺うのがマナーです。


(5)取次ぎは必ず保留にしてから


取次ぐ場合は、すぐ近くの人へつなぐとしても必ず「保留」にしてから取次ぐのが基本です。
相手を待たせないためにも、保留の最大時間は30秒程度と考えてください。


(6)保留が長くなりそうな場合


30秒以上保留になりそうな場合は、取次ぎができない状況を伝えた上で折り返しのお電話をする旨を伝えます。
「お待たせして申し訳ございません。もう少しお待ちいただけますでしょうか」
「お待たせして申し訳ございません。お調べするのに時間がかかりますので、かけ直しさせていただいてもよろしいでしょうか」
「相手の時間を奪っている」「電話代がかかっている」という意識を持つことを忘れないでください。


(7)取次ぐ相手が不在の場合は、不在であることを伝える


取次ぐ相手が不在の場合は、不在であることを伝えた上で相手方の意向を確認します。
「申し訳ございません。?は外出して戻らない予定となっております。」
「わたくしでよろしければ代わりにご用件をおうかがいいたしますが、いかがでしょうか?」


(8)自分で対応できない場合は確認する旨を伝える


電話の内容をすぐには回答できない、自分では応対できない場合、必ず相談してから折り返しの電話をかけます。
「恐れ入りますが少々お時間を頂戴したいので、折り返しお電話を差し上げてもよろしいでしょうか?」確認します。
さらに「お返事はいつまでに差し上げたらよろしいでしょうか?」と期限も確認するとより丁寧です。


(9)個人情報は口外しない


個人情報は決して口外してはいけません。
特に緊急の用件の場合、相手方が携帯電話の番号の確認を求められることがありますが、当然教えてはいけません。
「担当者に連絡をして折り返しご連絡いたします。」などと伝えるようにしてください。


(10)いたずら電話を取った場合


「お電話が遠いようですが、、、」と丁寧に対応して「大変申し訳ございませんが、お声が届かない状況ですので切らせていただきます。」と対応します。


(11)電話を切るとき


電話を切る前には必ず復唱します。
復唱する内容は相手の会社名、部署名、氏名、折り返しの必要性と時間帯、相手の連絡先と折り返しの時間、伝言の内容です。
そして、かけた方が先に切るのがビジネスマナーですので、受け手が相手の話が終わったと勝手に判断して切るのは失礼にあたります。
また、取引先企業、目上の人が先に電話を切るのが良いとも言われています。
最初のうちは電話の相手が目上の人やお客様であることが多いと思いますので、相手が電話を切ったことを確認してから切るように心がけてください。
電話を切る際は、受話器をそっと置くようにしましょう。
乱暴に置いてしまうう、ガチャッという音が相手にとって耳障りに感じることもあります。
フックスイッチを指で押しながら受話器を置くと、静かに電話を切ることができます。


■「不在時」や「聞き取れない」など困った場合の応対方法

(1)「不在時」の応対方法

担当者が不在の場合は以下の応対です。 それぞれの場合の伝え方を紹介しますので参考にしてください。

1.社内にいるが離席している場合
「申し訳ございません。?は席を外しております。」


2.外出している場合
「申し訳ございません。あいにく?は外出しておりまして、?時頃戻る予定となっております。」


3.休暇や欠勤の場合
「申し訳ございません。?は休みをいただいておりまして、?日に出社の予定となっております。」


4.電話中の場合
「申し訳ございません。?は他の電話の応対中です。」


5.電話をかけ直す場合と、伝言を聞いておく場合の対応
不在であることを伝え、連絡については、「担当者からかけ直す」「先方がもう一回かけてくる」「伝言を伝える」のいずれかを確認します。


6.担当者からかけ直す場合
相手の連絡先、都合のよい時間帯、用件内容を確認します。


7.伝言を聞いて担当者へ伝える場合
「私でよろしければ伝言を承ります。」と言って、伝言を伺います。


(2)「聞き取れない」場合の応対方法

1.相手の声が聞こえない場合
「申し訳ございません。お電話が少し遠いようでございます。」と聞こえないことを伝えます。
「お声が小さい」といった相手を責める表現は厳禁です。
電話が遠いことを伝えても聞こえない場合は「お電話が遠いようでございますので、切らせていただきます」と受話器を置いて履歴から相手の番号へかけ直します。


2.聞き取れなかった場合の確認
相手方の声や内容が聞き取りにくかった場合も、うやむやにせず確認をするようにしましょう。
聞き返すことより、社名や名前を間違えることの方が失礼にあたります。


■電話応対でよく使われる言葉遣い


(1)クッション言葉


直接に表現をするときつい印象で伝わってしまうお願いやお断りを柔らかくしてくれる言葉です。
相手への配慮にもなりますし、自身への負担も軽くなります。
お互いに気持ちの良いコミュニケーションを心がけてください。


1.尋ねる場合
「差し支えなければ」
「失礼ですが」


2.お願いする場合
「おそれいりますが」
「お手数おかけしますが」
「お忙しいところ申し訳ありませんが」


3.断る場合
「あいにくですが」
「ご意向に添えず申し訳ありませんが」
「大変心苦しいのですが」


4.相手に落ち着いてほしい場合
「おっしゃるとおりです」
「さようでございましたか」


(2)好印象な正しい敬語


電話応対で使用頻度の高い敬語を紹介します。
基本のやり取りがきちんとできていることが大前提ですが、敬語が正しく使えると「ビジネスマナーをしっかり身に付けている社員」という印象を持ってもらえます。
敬称や敬語を正しく使いこなせるようにすると同時に、間違って覚えている敬語はこの機会に正しく覚え直しましょう。


1.敬称
(×)自分
(◯)わたくし


(×)相手
(◯)?様


(×)相手の会社
(◯)御社(貴社)


(×)自分の会社
(◯)弊社(当社)


2.尊敬語
(×)言う
(◯)おっしゃる


(×)教えてほしい
(◯)お教えください(ご教示ください)


(×)来る
(◯)お越しになる(いらっしゃる)


(×)知っている
(◯)知っていらっしゃる(ご存知でいらっしゃる)


(×)見る
(◯)ご覧になる


(×)?様でございますか?
(◯)?様でいらっしゃいますか?


(×)?でよろしかったですか?
(◯)?でよろしいですか?(?でお間違いないですか?)


3.謙譲語
(×)言う
(◯)申す(申し上げる)


(×)担当者に伝えます
(◯)担当者に申し伝えます


(×)知っている
(◯)存じ上げております


(×)すみません
(◯)申し訳ございません


(×)できません
(◯)いたしかねます


(×)どうしますか
(◯)いかがなさいますか


(×)わかりました
(◯)承知しました


(×)わかりません
(◯)わかりかねます


終わりに


いかがでしたでしょうか?
理解はできても、いざ電話に出ると緊張して上手に話すことができないことはあると思います。
特に新しい職場ではさらに緊張すると思いますが、ご紹介した電話応対の基本を心にとどめて経験を積み重ねてみてください。
自信がついて自然と適切な言葉が出てくるようになります。
なにより積極的に電話応対をする姿は周囲から好印象です。
気構えし過ぎることなく、積極的に電話応対してみましょう。