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話しの「間」を使いこなす!思いを伝える話し方のコツ|話し方教室VOAT【ビジネスコース】

2021.10.14

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はじめに


話すことに慣れていないと、頭の中にある原稿を一気に話してしまいがちです。
これでは、聞いている人が一方的に感じてしまい、充分に理解されないまま話が進行してしまう可能性があります。
スピーチやプレゼンの目的は話すことではなく、相手に理解してもらうことです。
そのためには「間」を上手く使いこなすことが重要です。
コミュニケーションが上手な人や交渉に優れている人は、自然と心地よい「間」のある話し方をしています。
ここでは、この「間」について詳しく紹介します。


■話し方における「間」とは


「間」は文章を区切る場所のことをいいます。
文章を区切って少し時間を置くことを「間を取る」といいます。


▼「間」による効果


(聞き手)
・話を理解
・記憶に残りやすい
・考えを整理する時間があるので、したり、記憶に残したりしやすい
・話に変化を感じて飽きない
・疲れにくくなり、「聞く」ときの集中力が増す


(話し手)
・緊張を緩和し、自分の言葉を噛みしめながら話せる
・聞き手の反応を見ながら話を進められる
(説明が足りない部分などは、フォローしやすくなる)


▼「間」には大きく分けると3種類があります。


(1)理解のための「間」
言葉と言葉の間にとることで、相手に理解をしてもらうためにとる「間」です。
当然ですが、話し手は内容を理解しているから話しているわけで、聞き手は話を聞きながら理解していきます。
予備知識が無い状態で初めて聞く話を、即座に理解するのは至難の業です。
初めてのことは特にですが、頭の中で整理をしながら理解を深めていくものです。
息つく間もなく次々と新しい情報を投げかけられてしまうと、理解が追いつきません。
話し手のスピードについていけなくなると、やがて聞き手はあきらめてしまいます。
双方向でのコミュニケーションを意識することが良いプレゼンやスピーチのコツのひとつです。
例え聞いている人が複数であったとしても、全員の理解が追いついているか立ち止まって振り返ることは重要です。
具体的に約3秒がちょうどいいです。
頭の中でカウントするといいでしょう。
沈黙の3秒は意外と長く感じると思います。


(2)期待の「間」
聞き手の注意や関心を引き付けて気になっているタイミングで一呼吸置く「間」です。
重要なキーワードの前に「間」を取るとさらに続きを気になってしまい効果的です。
また、この引き付けの「間」は、聞き手に初めて聞く情報の新鮮さやインパクトを強く感じてもらうワクワク感を演出します。
には、「ドキドキワクワク」を感じさせる「間」が不可欠なのです。プレゼンやスピーチなどでも同様です。
具体的には1?2秒でいいです。


(3)印象の「間」
起承転結の「結」で話のオチがついたあとに、あえて少し時間を置く「間」です。
この数秒の「間」で聴き手は様々なことを想像して、話が心に染みわたります。
最後にこの「間」をいれるだけで、話全体の印象が奥行きのあるものに変わります。


■一流のスピーチは「間」の取り方がうまい


「間」は、決して単なる空白の時間ではなく、「無言で伝える時間」です。
「間」がないと「間抜け」といわれてしまいます。
一流のスピーチは「間」がとにかくうまいです。


(1)3つの長さの「間」


1.1?2秒(息を吸うイメージ)
相手が複数でも、一人ひとりに語りかけているようにしたいときに有効です。


2.3秒(標準の長さ)
聞き手の耳から脳へ届く目安が3秒といわれています。
謝罪や感謝といった感情を表現する場面では、3秒が適しています。


3.5秒以上
勇気が必要な時間です。
大勢の聞き手がいるときに威力を発揮します。
強調したい言葉の前後に「5秒」をとると、注目度が加速します。


(2)「一文一息(いちぶんいっそく)」


一回の呼吸の量で一文を話し終えることです。
一文が短く終わりますので、聞き手に伝わりやすくなります。
息継ぎは、自然と「間」をつくってくれます。


(3)一流のスピーチ


一流といわれるスピーチを「間」を基準に7つに分解して説明します。


1.始まりと締めくくり(5秒以上)
あえてすぐに話し始めず、笑顔で会場を見渡します。
拍手が落ち着いたころに話し始めます。
スピーチ終了後も、すぐにその場から離れるのではなく、会場を見渡して余韻を与えます。


2.話の転換(1?2秒)or(3秒)
話がひとつ終了したら(1?2秒)or(3秒)「間」を入れます。
文章で段落をかえてひとマス空けるのと同様です。
聞き手は、この(1?2秒)or(3秒)で話の内容を整理できるので理解が深まります。


3.強調(1?2秒)or(3秒)or(5秒以上)
強調したい言葉の前後に3種類の「間」を上手に使い分けて入れることで、印象づけることができます。


4.考えさせる(3秒)or(5秒以上)
質問を投げかけた後には、(3秒)or(5秒以上)の「間」をいれることで、考える時間と同時に共感も生まれます。


5.感動させる(3秒)or(5秒以上)
「強調」よりも重要な主張を言い切った後は、必ず(3秒)or(5秒以上)の「間」を入れます。
感動的な言葉の後に「間」がないと効果は薄れてしまいます。


6.聞き手を引き込む(1?2秒)or(3秒)
聞き手の中から誰かを指名したり紹介をすると、会場内の距離感が縮まって一体感が生まれる効果があります。


7.余韻(5秒以上)
スピーチを締める言葉の前には、長めの「間」をとると会場全体が余韻に浸ることできます。


■間違った「間」の取り方は人を不快にさせる


話をするときには効果的に使うことができる「間」ですが、使い方によっては人を不快にさせてしまいます。
特に気を付けたい3つを紹介します。


(1)動作が終了するとき


電話を切るときやドアを閉めるタイミングは注意が必要です。
動作の終わり間際は、次の動作のことで頭がいっぱいになりやすく、電話口やドアの向こうにいる人への配慮を忘れてしまいがちです。
それまでがどんなに良いコミュニケーションがとれていたとしても、最後に急に電話を切られた、ドアを閉められたという印象では全てが台無しです。


(2)完全な沈黙


「間」をとっているのではなく、単なる沈黙は相手に不快な思いをさせるだけです。
とにかく目の前に映るものを話題に挙げるなどして、完全な沈黙は避けましょう。


(3)会話が作為的過ぎる


良い「間」をとろうと考え過ぎてしまうのも良くありません。
その不自然さは、気持ちの悪さや相手に警戒心を抱かせてしまいかねません。
ガチガチに会話を考えるというよりは、何を話すかを考える程度にしておいて、その後はその場の空気に身をゆだねた会話を意識してみてください。


■「間」の取り方とコツ


「間」の取り方とコツを2つ紹介します。


(1)その場に応じた「間」の使い方


「間」は、その場面や状況によって使い分けることができます。
これを理解しておくと、間の取り方に幅が広がります。


1.「理解を求める間」
特に強調したい事柄は、ひと呼吸おいてから話すと強く印象に残りやすいです。


2.「期待の間」
聞き手に次の展開への期待をしてもらう状況を作りやすくします。


3.「余韻の間」
話の印象を強めたり、気持ちをしっかり伝えたい時などに効果的です。


これらを場面ごとに使い分けることができると、話に深みが増し聞き手も心地よい空間ができますから会話の展開に応じて使い分けてみると良いでしょう。


(2)相手の反応をよく見る


冒頭でも述べたように、目的は話すことではなく、相手に理解してもらうことです。
ですので、相手が理解していることを確認してから話を進めることが重要です。
そのためには相手の反応をよく見ているからこそ、お互いの意思疎通が上手くとれます。


■「間」を使いこなす具体例


(「・・・」が「間」です)

(例)今回は・・・営業成績について話をします。
(最も言いたい事を伝える前に使います)


(例)そうしたら・・・困ってしまったので・・・確認をしました。
(話に変化が少ないときは、文節ごとに間をいれてスローテンポにします)


(例)このような事例を聞いたことありますでしょうか・・・
(質問を投げかけたあとに聞き手が考える時間として使います)


(例)発表が無事に成功して安心しました・・・。その後は、、
(話の区切りついたという印象を強く残したいとき)


(例)上司が成績について褒めてくれました。・・とても嬉しかったです。
(感情についてを語る前に使います)


(例)地震がおさまったと思ったら・・・突然停電で電気が消えました。
(大きな展開が起きる前に使います)


おわりに


「間」はテクニックだけでなく、センス、日常の立ち振る舞い、相手への気遣いの表れが大きく影響します。
普段から強く意識して身につけることができると、コミュニケーションの幅が大きく広がります。
実践を重ねて、棒読みから脱して上手に「間」を使いこなしてください。
効果的に「間」が使えるようになると人間関係が劇的に良くなるはずです。