
はじめに
褒めることは、コミュニケーションを円滑にする効果があります。
しかし「褒めること」は簡単なことではありません。
うまく伝わらなかったり、お世辞に捉えられてしまうこともあります。
ここでは、仕事の場面における効果的な褒め方をご紹介します。
上手に褒めることで相手のモチベーションが飛躍的に高まることもありますし、距離も近くなります。
ぜひ職場での円滑なコミュニケーションのヒントにしていただければと思います。
■職場が円滑に!褒めるビジネス効果とは
(1)モチベーション向上
褒められると承認欲求が満たされます。
SNSにおける「いいね!」も承認欲求の一つです。
承認欲求が満たされると、さらに成長してもっと褒められたいという意欲が湧いてきます。
「いいね!」をもらうことで、次の投稿へのモチベーションが上がるのが良い例です。
(2)自信が持てる
褒められると自己肯定感が高まります。
自己肯定感とは、自分の価値や存在意義を肯定できる感情です。
自己肯定感が高いと物事をポジディブに捉えることができますが、逆に低いとネガティブに捉えてしまう傾向にあります。
褒めてもらうことで、自身の成功体験を確信することができて自信を持って取り組むことができるようになります。
(3)良好な人間関係構築
褒めてくれた相手には好印象を持ちますし、自分のことを理解してくれる人であるという信頼も生まれます。
好印象と信頼関係を積み重ねていけると、人間関係は円滑に進み仕事も捗ります。
(4)長所に気がつく癖がつく
短所を知ることも成長する上では重要ですが、短所ばかり指摘されると気持ちは辛くなります。
褒めることを心がけていると、人の短所ではなく長所に自然と気がつくようになります。
そうなると褒めることがさらに増えて、自分自身も明るく前向きに生きていくことができます。
■褒めることが上手な人の特徴
さりげなく褒めることができる人の共通点を4つご紹介します。
(1)観察ができている
相手のことをよく観察して理解できているからこそ、褒めることができます。
褒めるポイントに気がつくためには相手をしっかりと観察できていることが必要です。
(2)褒めることが特別なこと、という意識がない
言わなくても伝わるだろう、厳しくすることが相手のため、という意識が強い人にとっては、褒めることは慣れていないし、恥ずかしい感覚もあるかもしれません。
「良いですね」という一言を伝えることから始めてみて、少しずつ慣れていきましょう。
(3)本音で褒める
嘘やお世辞はNGです。
思ってもいないことを伝えたり、大げさに伝えるのは良くありません。
事実に即した内容を本音で素直なきもちで伝えることが重要です。
(4)短所を長所に置き換える
短所やコンプレックスは、捉え方によっては特徴的な個性でもあります。
騒がしい人は、裏を返せば明るくて話が上手な人ですし、仕事が遅い人も、丁寧で慎重で正確性が高いと評価できることもあります。
短所からポテンシャルを引き出すことが上手な人は、褒めることも上手な人です。
■褒め方のコツと例文
▼褒め方のコツ
(1)具体的に褒める
「すごいです。」と言われても、言われた本人が何がすごいのか分かっていなければ意味がありません。
誰にでも当てはまってしまうような抽象的な言葉ではなく、具体的に分かりやすく伝えると喜びも大きくなりますし信頼も高まります。
(2)さりげなく褒める
すれ違いざまのあいさつをするついでに褒めたり、さりげなく褒められると自然と素直に受け止めることができます。
(3)意外なポイントを褒める
自分でも気がついていないようなことを褒められると、自分のことを良く見てくれていると感じて嬉しいものです。
(4)人前で褒める
たくさんの人がいる前で褒められると、気恥ずかしさはありますが嬉しさも大きいです。
(5)本人不在の場で褒める
人を通じて褒めた内容が本人に伝わった時、その褒め言葉は真実味を一層強めて効力も強大になります。
(6)真剣な表情で褒める
会話中は笑いながら和やかなムードで良いのですが、そのムードのまま褒めてしまうと正しく伝わらない可能性があります。
褒める瞬間は真剣な表情で褒めると、よりしっかりと伝わります。
(7)性格、能力、センス、考え方を褒める
見た目や持ち物を褒めるのは表面的に過ぎません。
性格、能力、センス、考え方を褒めるためには、相手のことを良く知らないといけないので、褒められると嬉しさは大きくなります。
(8)褒め言葉の「さしすせそ」
以下の「さしすせそ」をさりげなく含めることで自然に誉めることができます。
過剰に使用したり目上の人に使用するのは軽率な印象を与える逆効果になってしまうので注意が必要です。
・「さ」さすがですね
・「し」知りませんでした
・「す」すごいですね
・「せ」センスがありますね
・「そ」そうなんですね
▼例文
・「挨拶がとても気持ちが良いですね」
・「期待していますよ」
・「素直で良いですね」
相手に自信を持って欲しい場合に有効です。
自分に対するイメージが低いから自信が無いことが多いので、まずは高めることが大切です。
「気づくことができませんでした」
「マネをさせてもらっても良いですか」
さりげなく褒めることができるので上手く活用してみてください。
■やり過ぎはNG!褒め方の注意点
(1)嘘をつく
表現が少し大げさになってしまうくらいは仕方ないですが、思ってもいない嘘をつくのはいけません。
気持ちのこもっていない言葉は、いずれ矛盾が生じて相手に気づかれて信頼を失ってしまいます。
一度失った信頼を取り戻すのはとても難しいことです。
(2)過剰な表現
少し大げさなのは仕方ないですが、過剰過ぎる表現はもはや嘘と同等です。
何か裏があるのでは?と勘繰られてしまう可能性もあります。
(3)ハードルが低すぎるポイントは褒めない
子供扱いをしてバカにされている、嫌味を言われているような気分になってしまいます。
相手にとって成長していると実感できているポイントを褒めてください。
(4)上から目線
目上から目下へ伝えるような表現になってしまわないように気をつけてください。
「ありがとうございます」「助かりました」といった感謝を伝える表現を上手く織り交ぜるのが重要です。
(5)比較する
誰かと比較して褒めるのは良くありません。
良い気分にならないだけでなく、相手も素直に喜ぶことができないはずです。
あえて比較をするのであれば、相手の過去と現在を比較してどれだけ成長できているかを伝えてあげてください。
おわりに
褒めることは、相手との個人的な関係だけでなく、チームや会社全体のムードを良くする効果があります。
褒める効果を発揮されると、社員のモチベーションや社内の士気が高まって生産性が上がることがあります。
人間関係も良好になって、円滑に仕事を進めることができるようにもなります。
これだけ良いことがあるのですから、あなたも職場の誰かを褒めたくなったのではないでしょうか。
ここで紹介した褒めるコツを十分に理解していていただいて、円滑な仕事ができますことを願っています。