
はじめに
声がこもっていると暗い人である印象をもたれてしまいますし、言葉が聞き取りづらいために何度も言い直しをしなければなりません。
幼少期からこもっていると、生まれつきの遺伝であるかのように諦めてしまいがちですが、特徴や原因を正しく理解して適切な対処をすれば改善することは可能ですので、その方法をご紹介します。
声がハキハキとすると相手に伝わりやすくなることに加えて、元気でその場を明るくする効果も期待できます。
声がこもって悩んでいる人はぜひトライしてみてください。
■ 「こもっている声」の特徴
自分の声は骨や空気を伝わって自分の耳に届きますので、こもっていても自分には聞こえやすくこもっていることは自分では気づかないこともあります。
ここではこもっている声の特徴を記載しますので、当てはまらないかどうか確認してみてください。
(1)聞き返されてしまうことがよくある
会話で聞き返されてしまうことが多い場合は、声がこもってしまっているかもしれません。
特定の相手から聞き返されることが多い場合は、聞き手にも問題があるかもしれませんが、そうではないのであれば声がこもっていることを疑ってください。
(2)内容が伝わらないことがよくある
声がこもっていると話の内容が正しく伝わりません。
自分の伝えたいことと食い違いが生じることが多くある場合は、声がこもっていることを疑ってください。
(3)暗い印象をもたれることがよくある
明るくて前向きな人で声がこもっている人はいません。
逆に声がこもっていると、暗くてネガティブな印象を与えます。
初対面で暗い印象をもたれてしまうことが多い場合は、声がこもっていることを疑ってください。
■ 声がこもる原因とは
声がこもってしまう原因は1つだけではなく、人によって様々です。
また、話し方による原因と心理的な原因にも分かれます。
自分がどの原因によるものなのか当てはめて確認してみてください。
■話し方による原因
(1)口の開け方
口の開きが小さく話すとボソボソとした声になって、聞き取りづらいです。
声の出しやすさや滑舌にも影響がありますので、口はなるべく大きく開けるようにしましょう。
(2)姿勢が悪い
背中が曲がっているいわゆる猫背の状態や、その逆に背筋が反り返っていると、声の通り道が狭くなって、声が出にくくなります。
また姿勢が悪いと、腹筋も上手く正しく使えていないので、声の通りがますます悪くなってしまいます。
(3)歯並びが悪い
歯並びが悪いと歯の隙間から息が漏れてしまい、その結果「サ行」や「タ行」が発音しづらくなって滑舌が悪いことに繋がってしまいます。
(4)抑揚がない
話す声のトーンが一定でイントネーションに強弱やリズム感が無いと、ボソボソ、ゴモゴモと話しているように聞こえてしまいます。
伝えたい箇所のトーンを上げたり下げたりして抑揚をつけるだけで、相手に伝わりやすい声になります。
■心理的な原因
(1)自信がない
自信がないと間違いばかりを気にして声が小さくなり、さらに姿勢も縮こまって声が出にくくなる悪循環で、声がこもってしまいます。
話す内容についてよく考えて自信を持つようにしましょう。
(2)話すことが恐怖
自分の発言を否定されることや責められてしまうイメージがあると、その恐怖から声がこもってしまいます。
自分のことを知らない人が多いと、どうしてもその恐怖心は高まってしまいます。
■ こもっている声の改善方法
こもっている声は、強く意識をするだけで改善することもありますが、適切にボイストレーニングや発声練習しなければ改善できないこともあります。
その改善方法を5つご紹介します。
また、自分の声がこもっているかどうかを録音して聞いてみてください。
スマホのボイスメモを利用して簡単に録音できます。
こもっているとしたらその原因がどこにあるのか分析して、それにあった改善方法を試してみてください。
改善を自覚できるようになるまでは、定期的に録音して確認することをオススメします。
(1)舌のトレーニング
舌の動きを良くするためには、舌を回したり、突き出したりして舌の筋肉を鍛えるしかありません。
また、舌を意識して50音を発声練習する場合は、特に「カ行」「タ行」「ナ行」「ラ行」を重点的に練習すると効果が見込めます。
早口言葉も舌を意識して練習すると、舌のトレーニングに有効です。
(2)喉のトレーニング
顎の下に両手の親指を当てて、顔を下に向けると同時に親指を上方向に押し上げてください。
顎と親指の押し合いをすると喉の筋肉に力が入って、適度な負荷をかけることができます。
口を横に大きく伸ばして「いー」と声を出し続けるトレーニングも有効です。
(3)腹式呼吸をマスター
声が小さくてこもってしまっている場合は、お腹の力を使わないで発声している可能性があります。
息を吸う時にお腹をふくらませて、吐く時にへこませることを意識するだけで、ハキハキとした発声になります。
上手くできない時は、仰向けになってお腹の動きに集中すると良いでしょう。
(4)抑揚をつける
舌が動くようになって、喉が開いて、お腹から声が出るようになっても、抑揚がないと聞き取りづらいです。
伝えたい重要なポイントではトーンを上下して話してみてください。
一語一語の抑揚に意識を集中して話すようにすると、発声や滑舌も改善されます。
(5)笑顔で相手の顔を見る
笑顔をつくることや相手の顔を見ることは、緊張を和らげる効果があります。
緊張している自覚がある時ほど、笑顔と相手を見る意識を高めてください。
おわりに
声がこもっていると、相手に内容が伝わりづらいのはもちろん、暗い印象ややる気がない印象といったマイナスイメージを与えてしまいます。
こもった声を改善できれば、逆に印象を大きく変えて、元気で明るくて話しやすい人になることができます。
原因を突き止めて自分に合ったトレーニングをして改善できるようにしてください。
原因が分からない、効果を感じることができない場合は、話し方のプロがいる話し方教室を頼ってみてください。
適切なアドバイスをもらえて、自己流よりも短期での改善が期待できます。
こもった声が改善して仕事で活躍できること、友人や家族と楽しい日常を過ごすことができるようになることを願っています。