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砕けた敬語が距離感を縮める!崩し敬語のメリットと話し方|話し方教室VOAT

2022.08.02

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はじめに

私たちは意識的にも無意識的にも、立場や関係性によって言葉を使い分けています。
親しい間柄では所謂「タメ口」を使ってカジュアルに、またフレンドリーにコミュニケーションを取ります。
逆に親しくなかったり距離を置きたい相手とは、堅い敬語を使って一定の距離を保つようにしたりもします。
このように、人間関係と言葉遣いには密接な相関関係がありますので、ここでは距離を縮める砕けた敬語(崩し敬語)のメリットと話し方についてご紹介します。


■ 敬語で距離感が縮まらないのはなぜ?

敬語だと距離感が縮まらないのは、敬語を話す心理にその理由が隠されています。
ここではその心理を3つ紹介します。

(1)距離を置きたい

敬語を使う時点で、相手は心理的に距離を置きたい可能性が非常に高いです。
距離を置きたい理由は、必ずしもネガティブな理由だけではありませんが、一定の距離を保ちたいと考えているから距離感を感じてしまうのです。


(2)相手の気持ちを考え過ぎている

タメ口のように砕けた表現で話しかけたら、相手を不愉快にさせてしまったり戸惑わせてしまうかも、という思考になると無難に敬語を使う心理が働いてしまいます。
話の内容よりも、相手の気分を悪くしないようにすること、相手に悪い印象を与えないようにすることにばかり意識がいってしまい、どうしても壁ができてしまいます。


(3)自信がない

タメ口ではなく敬語を優先する心理には、相手に悪い印象を与えないようにするための予防線を張りたいという意味合いが強く含まれています。
これは、自分がタメ口を使うにふさわしくない劣等感の表れともいえます。
つまり、相手を立てたり敬う謙虚な気持ち以上に、自分の弱さや蔑む気持ちの表れとして敬語を使っているネガティブな人は、他人と話すことが大きな負担になったりするので、なかなか距離が縮まりません。


■ あえて敬語を崩すことのメリット

相手に敬意を表する敬語にデメリットがあるとしたら、先ほど紹介した「距離感が縮まらない」ことです。
逆に堅い敬語を少し崩したカジュアルな敬語を使うメリットは「仲良くなれる」「打ち解けることができる」です。
初対面の人に最初からタメ口で話しかけることは難しいと思いますが、ある程度会話が盛り上がってきたら敬語を少し崩してみてください。
一気に距離が縮まることを実感できると思います。
ポイントとしては、最後の挨拶や大事な話をする瞬間は敬語に戻すことです。
礼儀の正しさや誠実さが相手に伝わるので、失礼な振る舞いとして受け取られてしまう可能性が低くなります。


■ 重要!敬語を崩すタイミング

仕事の取引や婚活の場面での初対面においては、年齢やキャリアなどは無関係に敬語から始めることが良いです。
ただし、先ほど紹介したようにいつまでも敬語のままでいると相手との距離は縮まりません。
そこで、敬語を崩すタイミングが重要になってきます。
敬語にタメ口を織り交ぜながら、早過ぎず遅過ぎないタイミングを見計らう必要があります。
ここでは、そのタイミングについていくつかご紹介します。


(1)雑談が盛り上がったとき

天気や今朝見たニュースの話題など、挨拶の会話で思いがけず盛り上がった時は、さりげなく敬語を崩して話すチャンスです。
特定の単語が何度も出てきて共通の話題で盛り上がったときや、相手が自慢話や武勇伝を語ってくれて声が大きくなってきた際も敬語を崩すチャンスです。


(2)リアクションのとき

会話中に敬語を崩すチャンスの一つに、リアクション時があります。
驚いたときや感心を示すときのリアクション時に、自然な流れで崩した敬語を織り交ぜると違和感が少ないです。


(3)ニックネームやあだ名を知ったとき

相手のニックネームやあだ名を知る機会を得たらチャンスです。
それまで苗字に「さん」を付けていた状態から、相手をニックネームで呼ぶと同時に崩した敬語を織り交ぜると自然にカジュアルな会話に展開できます。


(4)その後のメッセージをおくるとき

その場でチャンスがなかったとしても、その後のメールなど文字でのやり取りで敬語と並行して崩したカジュアルな敬語を挟むと自然です。
最初の挨拶や最後のお礼などは敬語で記して、自分の気持ちや考えの文章は少し敬語を崩すと好感を持ってもらえやすいです。


■ 距離が縮まる崩し敬語の話し方

ここでは敬語の崩し方テクニックをご紹介します。

(1)「ね」「よ」を文末につける

さりげなく柔らかい雰囲気を演出できます。
例えば「お願いします。」を「お願いしますね。(お願いしますよ。)」といった感じです。
一気にカジュアル感が強まります。
軽いお願い事であれば、「ね」や「よ」をつけたバージョンの方が好まれます。


(2)語尾を少しだけ伸ばす

例えば「来週の月曜ですね。スケジュール大丈夫だったかなー。確認いたします。」といった感じです。
相手に対して「だったかなー」はかなりカジュアルですが、あくまでも自分自身への問いかけですので、相手はさほど気にすることなくくだけた雰囲気をつくることができます。


(3)「お」や「ご」をつけない

「お休みの日は何をしていますか?」→「休みの日は何をしていますか?」
「ご予定はいかがですか?」→「予定はいかがですか?」といった感じです。
ちょっとしたことですが、印象は大きく変わります。


(4)文末を「・・・」に変える

文末で「です」「ます」などを使わない方法です。
例えば「来週の月曜の予定はいかがですか?」を「来週の月曜の予定は・・・?」といった感じです。
表現が大きく変わるわけではないので、相手が不快感や違和感を抱くことはないといえます。


■ 崩し敬語の注意点を理解してコミュニケーションをとろう

距離を縮めるのに便利な崩し敬語ですが、注意点もありますのでご紹介します。


(1)言葉以外で敬意を表す

敬語を崩すとしても相手への敬意は崩してはなりません。
表情や頷き、座る位置など、相手を敬っている気持ちは言葉以外でも表現できます。
惜しみなく表現しましょう。


(2)段階を経る

いきなり敬語を崩すのではなく、あくまでも段階的に崩すことが重要です。
敬語の一部を崩すところから始めていくといいです。
会話の最後のワンフレーズだけ崩してみたり、もしくは出だしだけ崩して最後はしっかり敬語で終わるようにしたりなど、少しずつ崩すことを心がけてください。
相槌のときだけ崩すのも、自然に崩す方法としておすすめです。


(3)話題や状況に合わせて使い分ける

話題の内容や状況に合わせて崩し加減は調節してください。
シリアスな話題や繊細な内容の場合は、しっかりとした敬語を使った方が相手にこちらの真剣に聞いている姿勢が伝わります。
また別れ際など重要な場面では、しっかりと敬語で挨拶をすると礼儀正しさが伝わって好印象です。


おわりに

同じ相手に対しても話題の内容や状況に応じて、正しい敬語と崩した敬語を使い分けることができると、コミュニケーションの幅がぐっと広がって相手との距離も縮まります。
しかし、最も大切なことは言葉や使い方よりも、相手を敬う気持ちとそれを表現する方法です。
表面的な言葉の使い方にとらわれるよりも、相手に尊敬の気持ちが伝わっているかを気にする配慮が重要であることを忘れないでください。
今回学んだことをきっかけに、あなたがたくさんの人たちと良好で親密な関係を築くことができるようになることを願っています。