
はじめに
会話は人との交流や情報を共有するための手段ですが、相手を上回ることや自己評価を高めるために「マウントを取る」人がいます。
ここでは「マウントを取る」とはどういうことなのか、その心理や特徴、そしてマウント会話に対処する方法について紹介します。
■ 会話で「マウントを取る」とは
「マウントを取る」とは、他人よりも立場が上に立つ姿勢や自分の能力の高さをアピールすることをいいます。
これは会話の中で自己主張をする手法で、相手を劣った立場に置いて自分の存在感を高めようとするものです。
マウントを取る人は、自分が他人よりも優れていると感じることで自己満足感を得ることを目的としています。
■ マウントをとる会話の例文
マウントをとる人がする会話の例文を紹介します。
例文(知識マウント)
「あなたは毎日10時間も働いているのに、こんなこともできないのですね。」
例文(批判マウント)
「自分はこんなに忙しいのに、役職の無いあなたは旅行へ行けて羨ましいです。」
例文(経験マウント)
「学生の頃は毎年海外旅行へ行っていたけど、今は国内旅行しかできない。」
例文(アドバイス風マウント)
「目標を持つことは素晴らしいことです。おかげで営業成績一位をとれました。」
■ 無意識?マウントを取る人の特徴と心理
マウントを取る人の特徴としては、以下のような点が挙げられます。
(1) 自己中心的な思考
自分の存在を中心に置き、自己主張によって他人を上回ろうとします。
(2) 誇張や自慢
自分の行動や経験を誇張し、自慢することで他人よりも優れた存在であるとアピールします。
(3) 批判的な態度
他人の言動を批判し、自分の意見や考えを優位にしようとします。
(4) 自己不安
内心で自己不安を抱えており、それを補うために他人を上回ることで自己価値を確立しようとします。
(5) 競争心の強さ
競争心が強く、他人との比較によって自分の優位性を示そうとします。
(6) 注意を引きたい欲求
自分の存在を主張するために、他人の注意を引きたいという欲求を持っています。
これらの特徴は、マウントを取る人が無意識のうちに行動していることもあり、自分の行動が他人に対してマウントになっていることに気づいていない場合もあります。
■ マウント会話への対処方法
マウント会話に直面した場合、以下の対処方法を考慮することが有益です。
(1) 冷静な姿勢を保つ
マウントを取る人の目的は相手をイラつかせることです。
冷静に対応し、感情的にならずに会話を進めましょう。
(2) 直接対抗しない
マウントを取る人に対して直接的な反論や競争をすることは避けましょう。
それによって相手のエゴを刺激してしまう可能性があります。
(3) 聞き手に徹する
マウントを取る人は自分の話を聞いてほしいという欲求があります。
相手の話に耳を傾け、興味を示すことでマウントの意図を軽減することができます。
(4) 自己主張を避ける
マウントを取る人との会話では、自己主張をすることを避けましょう。
それによって相手に上手く乗られることなく、会話を平穏に進めることができます。
(5) 話題を変える
マウント会話が続く場合は、話題を変えることで相手のマウントの機会を減らすことができます。
(6) クリアなコミュニケーションを心掛ける
自分の意見や要望を明確に伝えることが重要です。
曖昧な表現や二重の意味を持つ発言は避け、相手に正確に伝わるようなコミュニケーションを心掛けましょう。
(7) 自己価値に固執しない
マウントを取る人の言動に対して自己評価を左右されないようにしましょう。自分自身の価値を確信し、他人との比較に固執しないことが重要です。
(8) 聞き手を変える
他の人への注意を引くように意識的に話題をシフトさせることが効果的です。
これによってマウントを取る人の影響を軽減することができます。
(9) エンパシーを持つ
マウントを取る人の行動に対して、相手の立場や感情に寄り添うようにしましょう。
相手の心理状態や意図を理解して、共感を示すことで対話の雰囲気を改善することができます。
(10)適切な距離を保つ
マウントを取る人に対しては、必要に応じて距離を取ることも重要です。
相手との接触を最小限にし、自分自身を守るために必要な距離感を保ちましょう。
おわりに
マウントを取る人との会話は、ストレスや不快感を引き起こすことがあります。
冷静な対応や適切なコミュニケーションの取り方を心掛けることで、その影響を最小限に抑えることができます。
相手の心理や意図を理解し、自己価値に固執せずに対話を進めることが重要です。
また、自分自身のコミュニケーションスキルの向上や自己成長にも取り組むことで、マウント会話への対処がより効果的になります。